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熱処理作業における受け入れから出荷までの流れ

熱処理作業の流れと留意事項

投稿日 2023.03.01
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概要

熱処理作業とは、処理品の受入れから、前処理、本処理、後処理、検査を経て出荷までの工程のことで、とくに受入時の事前打合せが重要です。

01 事前打合せでの重要事項

熱処理加工を受発注する際には、発注者と受注者側との間で十分な事前打合せをしなければなりません。熱処理不良などトラブルが生じた場合には、この事前打合せが不十分だと、問題がこじれてしまうことがあるからです。

事前打合せでは、指定硬さなどの仕様の確認は当然のことですが、硬さの測定位置や測定条件など、協議しておくべきことが多々あります。例えば、指定硬さの取り決めはしても測定位置を規定しなければ、受注者側の測定で合格した処理品でも、発注者側が別の箇所で測定し、不合格になる場合もあるからです。処理物の材質、形状および寸法によって硬さの均一性は異なりますから、測定位置は確実に協議すべきことなのです。

熱処理作業における受け入れから出荷までの流れ

02 熱処理準備から本処理までの留意事項

事前打合せの次に熱処理の準備および前処理を行います。仕様を確認して熱処理パターンを決定しますが、処理物の搬送やセッティングには十分な注意が必要です。不注意な取り扱いによって、処理物どうしの混在、打痕や変形などを生じる恐れがあるからです。

熱処理パターンは、処理物の使用状況や処理物材質と要求されている仕様との整合を十分に踏まえたうえで決定します。例えば工具類では、靱性重視か耐摩耗性重視かによって熱処理パターンは異なります。

SKD11製金型の焼入焼戻しパターン事例

03 検査から出荷までの留意事項

硬さ測定や金属組織観察に際しては、砥石による切断を行いますが、その際には加工熱によって変質しないように注意しなければなりません。

出荷に際して留意すべき点は、処理品のていねいな取り扱いは当然のことでうが、とくに真空熱処理品は錆を発生しやすいので、たとえステンレス鋼であっても乾燥箇所での保管を推奨します。また、素手で取り扱わないように注意し、梱包に際しては、防錆紙を仕様するなど防錆対策が必須です。

熱処理作業の流れと留意事項
投稿日 2023.03.01

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