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概要
炭素量が0.765%点を共析点、その炭素量を含む炭素鋼のことを共析鋼といいます。この時の金属組織は通称パーライトといいます。
01 平衡状態図と金属組織
この平衡状態図において炭素量が0.6%より少ないものは機械構造用炭素鋼、0.6%より多いものは炭素工具鋼です。また、炭素量が0.765%点を共析点といい、この炭素量の炭素鋼は共析鋼、この点よりも炭素量が少ないものは亜共析鋼、多いものは過共析鋼といいます。
02 亜共析鋼の金属組織
A3線よりも高温での金属組織はオーステナイトです。冷却する時にA3線を通過する時に、フェライトが析出します。これは初析フェライトと呼ばれています。さらにA1線を通過する際にはオーステナイトからフェライトとセメンタイト(Fe3C)が同時に析出します。このように、1つの相から同時に2つの相に変態することを共析変態といい、この共析変態によって得られる金属組織はパーライト(フェライトとFe3Cが層状に並んでいる)と呼ばれています。
上記に炭素量の異なる各種炭素鋼の顕微鏡組織を示します。A1変態点以下の平衡状態ではパーライトと初析フェライトとの混合組織を呈しています。しかも、炭素量が多いほどパーライト量が増加し、共析点である炭素量0.8%では、すべてパーライトになることがわかります。
03 過共析鋼の金属組織
過共析鋼の特徴はAcm線の存在で、この温度ではオーステナイトからセメンタイト(Fe3C)が析出します。これは初析セメンタイト(初析Fe3C)と呼ばれています。A1線に近いほど、セメンタイト量は増加します。A1線では、パーライト変態しますから、常温での金属組織はパーライトと初析Fe3Cの混合組織を呈します。
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