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01 これまでの表面処理の特徴と課題
これまで機械部品として使用される鋼では、耐摩擦性や疲れ強さの向上のために、表面硬化熱処理が施されてきました。
主な表面硬化熱処理として下記のようなものがあります。
主な熱処理法 | 特徴 | 課題 | |
ガス浸炭 浸炭窒化 |
炭素濃度調節が容易。 安定した品質。 |
→ | 焼入歪みの低減 |
窒化 ガス軟窒化 イオン窒化 |
低歪で硬化が可能。 | → | (窒化)処理時間の短縮化 (軟窒化)高硬度化 |
高周波焼入 | 短時間での処理 ひずみの低減 ライン化・自動化が容易 |
→ | 特定の鋼種でなく、安価な鋼種の適用 |
02 課題を解決する新しい表面硬化熱処理、それが浸窒焼入
<1>窒素を侵入させ焼入を行うことにより、安価なSPCC材でも850HV程度の表面硬度が得られ、内部に窒素が拡散している範囲で硬度を上昇させることが可能。
<2>ひずみ量は浸炭窒化焼入の約半分、ガス軟窒化よりわずかに大きいのみ。
<3>摩擦係数・焼付け面圧は浸炭窒化、ガス軟窒化とほぼ同等です。摩耗量は、浸炭窒化焼入材の1/2、ガス軟窒化材の1/3と良好。
カーボン系のガスを利用しないので、処理後の試料の表面粗さが良好。
処理時間は、ガス軟窒化の1/3〜1/4程度で、大幅な短縮が可能。
浸炭と同程度の焼戻し軟化抵抗を有する。
03 低温浸窒焼入にすれば、さらに歪みを小さくできます
窒化は合金鋼のみ適用できますが、低温浸窒焼入は、窒化並に小さい歪みでありながら合金元素でなくても硬化できます。
表面硬化層は900Hv以上得られます。
時効による硬化。
浸炭と違い、スーティングの心配がなく仕上げ肌は良好です。
安価な材料でも表面硬化できるので、窒化に比べてコストカットできます。
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